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メール変換ユーティリティを使用してメールファイルをアップグレードする
ユーザーのメールファイルを現在の Notes メールテンプレートまたは iNotes テンプレートにアップグレードする際には、一度に 1 つのファイルをアップグレードすることも、メール変換ユーティリティを使用して設計のアップグレードを自動化することもできます。また、メールテンプレート変換ユーティリティを使用して、メール設計の言語を別の言語に変換することもできます。 メール変換ユーティリティは、適用可能な Domino サーバー上で実行してください。

このタスクについて

メールファイルをホストする Domino サーバーとそのファイルにアクセスする IBM Notes クライアントをアップグレード済みであることを確認してください。アップグレードしていないと、ユーザーは新しい設計でアップグレードの機能を使用できません。メールファイルのアップグレードは、ユーザーがメールファイルにアクセスしないときに行ってください。 アップグレード中にメールファイルを使用できないことをユーザーに通知してください。

メール変換ユーティリティを使用して、Microsoft™ Exchange からマイグレーションすることもできます。

メール変換ユーティリティを使用するには

このタスクについて

メール変換ユーティリティを実行する前に、影響を受けるすべての Notes クライアントのインストール済み環境が新しいリリースにアップグレードされていることを確認してください。

手順

1. 影響を受けるサーバーまたはクライアントシステム上のカスタマイズ済みメールファイルまたはメールテンプレートをバックアップします。

2. メール変換ユーティリティを実行する、対象のメールファイルが常駐する Domino サーバーを始動します。

3. アップグレード中に IBM Domino がメールを対象のメールファイルにルーティングしないように、Domino サーバーのメールルーターをシャットダウンします。


4. メール変換ユーティリティをロードします。
5. メールファイルをサーバー上の現在のリリースのメールテンプレートにアップグレードし終わったら、Domino サーバーのメールルーターを始動します。
6. IBM Notes ユーザーに、メールファイルが新しい設計にアップグレードされたことを通知します。

メール変換ユーティリティのタスクの例

このタスクについて

メール変換ユーティリティを使用して、1 つ以上のメールデータベースを新しい設計に変換することができます。次の表に、メール変換ユーティリティで実行できる各種タスクの例を示します。

注: アスタリスク (*) などのワイルドカード文字を使用して新しいメールテンプレートにアップグレードするファイルを指定する場合は、ディレクトリとサブディレクトリ内のすべてのデータベースがメールファイルであることを確認してください。ワイルドカード文字を使用すると、IBM Domino ではワイルドカード文字で指定したすべてのデータベースの設計が、指定したテンプレートに置き換えられます。メールデータベース以外の設計を誤って新しいメールテンプレートに置き換えた場合は、メール変換ユーティリティを使用して元の設計に戻してから、正しいテンプレートを指定してください。

表 2. メール変換ユーティリティのタスクと説明
タスク説明
単一メールデータベースのアップグレードメール変換ユーティリティは、現在のメールテンプレートを新しいリリースのメールテンプレートに置き換えます。

以下の例では、Notes データディレクトリの ¥MAIL サブディレクトリにあるメールデータベース user.nsf を検索します。

load convert mail¥user.nsf * mail9.ntf

ディレクトリ内の全メールデータベースのアップグレード以下の例では、Notes 8.5 メールテンプレートを使用する Notes データディレクトリの ¥MAIL サブディレクトリにあるデータベースをすべて検索し、それらの設計テンプレートを IBM® Notes 9.0.1 Social Edition メールテンプレート (mail9.ntf) に置き換えます。

load convert mail¥*.nsf StdR85Mail mail9.ntf

ディレクトリとそのサブディレクトリ内の全メールデータベースのアップグレード以下の例では、Notes データディレクトリの ¥MAIL サブディレクトリと、¥MAIL ディレクトリのすべてのサブディレクトリ (例: C:¥NOTES¥DATA¥MAIL¥GROUP1、C:¥NOTES¥DATA¥MAIL¥GROUP2、C:¥NOTES¥DATA¥MAIL¥GROUP3) にあるデータベースをすべて検索し、それらを Notes 9.0.1 Social Edition メールテンプレート (mail9.ntf) にアップグレードします。

load convert -r mail¥*.nsf * mail9.ntf

テキストファイルにリストされた全メールデータベースのアップグレードアップグレードするデータベースをテキストファイルにリストし、そのファイルをメール変換ユーティリティと併用してそのデータベースのみをアップグレードできます。たとえば、MAILLIST.TXT テキストファイルを作成してアップグレード対象の全メールデータベースをリストし、ファイルを C:¥TEMP ディレクトリに保存したとします。以下の例では、MAILLIST.TXT にリストされるデータベースはすべて Mail* と一致する設計テンプレート名を使用しているかどうかで判別され、一致するデータベースの設計が Notes 9.0.1 Social Edition メールテンプレート (mail9.ntf) に置き換えられます。

load convert -f c:¥temp¥maillist.txt mail*.ntf mail9.ntf

ディレクトリ内の全メールデータベースをリストするテキストファイルの作成メール変換ユーティリティを使用すると、サーバーのすべての 1 次メールデータベースをリストするテキストファイルを作成できます (レプリカのメールデータベースはリストされません)。以下の例では、MAILLIST.TXT テキストファイルを C:¥TEMP ディレクトリに作成します。MAILLIST.TXT には、サーバーのすべての 1 次メールデータベースのリストが含まれますが、レプリカのメールデータベースは除外されています。このオプションを使用してテキストファイルを作成すると、ファイルを使用してリストしたメールデータベースをアップグレードできます。この表の「テキストファイルにリストされた全メールデータベースのアップグレード」を参照してください。

load convert -l c:¥temp¥maillist.txt

Notes で IMAP を使用するメールファイルの変換Notes メールファイルを IMAP と併用する場合は、メール変換ユーティリティを実行して IMAP 固有機能をメールファイルで有効にします。以下の例では、Notes データディレクトリの ¥MAIL サブディレクトリにあるメールデータベース user.nsf を IMAP で使用できるように準備します。

load convert -e mail¥user.nsf

カスタムフォルダ設計のアップグレードメール変換ユーティリティを使用すると、カスタムフォルダ設計を受信ボックス設計にアップグレードできます。以下の例では、Notes データディレクトリの ¥Mail サブディレクトリにあるすべてのメールデータベースのカスタムフォルダ設計を受信ボックス設計にアップグレードします。

load convert -u mail¥*

予約ビットなしフォルダのフォルダ設計のアップグレード-s 引数は、予約が選択解除されているすべてのフォルダまたはビューを無視します。これは、設計プロパティの [変更用に更新/置換を許可しない] オプションに対応しています。

データベースを設計から継承するように設定していたとしても、システムフォルダと元のテンプレートの他の設計要素を使用して、予約ビットが設定されていないメールファイルを作成します。受信ボックスなどのシステムフォルダは、-s 引数を使用してメール変換ユーティリティを実行した場合、更新されません。

load convert -s mail¥*

英語のメールテンプレート設計を英語以外の言語 (例: ドイツ語) に変換するload convert -g"German TestMail.nsf * mail9_en_de.ntf

注: Linux™ プラットフォームでは、要求する言語名を引用符で囲まないでください。Linux の場合の構文例は次のとおりです。

load convert -gGerman TestMail.nsf * mail9.ntf

maillist.txt ファイルにリストされた以前のユーザーの全メール設計を Notes メール設計にアップグレードするload convert -u -f maillisttxt * mail9.ntf
dir_path およびそのサブディレクトリ内にある Microsoft Exchange 移行済み全メールデータベースのアドレス修復load convert -w db_path
指定した Microsoft Exchange 移行済みメールデータベースでのアドレス修復load convert -w mail_db_path
レプリカを除くすべての Microsoft Exchange 移行済みメールデータベースのテキストリストを 1 次メールディレクトリから生成する。この機能は、アドレス修復よりも重要性が低いものの後のオプションで必要です。load convert -w -l text_list_path
指定したテキストリストファイルにリストされたすべての Exchange 移行済みメールデータベースでアドレスを修復する。アドレス修復が必要なデータベースを管理者が柔軟に管理できます。load convert -w -f text_list_file

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