問題 2: IBM Notes クライアントと Domino サーバーでは、サーバーへの接続に成功した IP アドレスがキャッシュされます。このキャッシュが存在する場合、サーバーの IP アドレスを変更したときに、キャッシュされた古いアドレスが原因で接続が失敗することがあります。
この問題には次のような解決策があります。解決策は、使用する必要性が高い順に示されています。
解決策 1: 高速接続アルゴリズムは、クライアントまたはサーバーが、1 日のうちの早い時間に同一サーバーに正常接続した場合に限り使用されます。当日中にまだ正常な接続が行われていない場合は、低速なアルゴリズムが使用され、キャッシュはバイパスされます。この問題を回避するには、サーバーの IP アドレスを夜遅く (ただし、午前 0 時前) に変更します。
解決策 2: キャッシュは、サーバーへの正常接続の後に書き換えられます。キャッシュされるアドレスは、解決された IP アドレスではなく、ユーザーによって入力されたアドレスです。ユーザーが servera.renovations.com と入力して servera/renovations に接続した場合、キャッシュされるアドレスは 1.2.3.4 ではなく、servera.renovations.com となり、問題は発生しません。
解決策 3: ユーザーがサーバーの Notes 名 (servera/renovations など) によりサーバーへの接続を試みた場合、古いキャッシュエントリが使用されます。ユーザーがサーバーの完全修飾ドメイン名 (servera.renovations.com など) を使用して接続を試みた場合、キャッシュは使用されず、新しいアドレスが DNS から取得され、正しい新規アドレスがキャッシュに入れられます。このようなサーバーの完全修飾ドメイン名を使用した正常な接続を行うには、[ファイル] -> [開く] -> [Notes アプリケーション] または [ファイル] -> [プリファレンス] -> [Notes ポート] -> [トレース] を使用します。
解決策 4: キャッシュは、クライアントのロケーション文書とサーバーのサーバー文書内の次の Notes フィールドに保存されます。
- $Saved Addresses
- $SavedDate
- $SavedPorts
- $Savedservers
- $SavedTriedDate
これらのフィールドがロケーションまたはサーバー文書から削除されている場合、キャッシュ内の古い IP アドレスは使用できません。この方法は、クライアントまたはサーバーがメモリ内のコピーに存在している場合に Notes アイテムが書き換えられるため、混乱の原因となります。したがって、この方法を使用して、クライアントのキャッシュを消去するには、ローカルアドレス帳にエージェントを作成してから、別のロケーション文書に切り替え、クライアントを終了します。クライアントを再起動し、エージェントを実行して、その他すべての保存場所のキャッシュを消去します。通常のロケーションに切り替えます。
キャッシュを消去するエージェント式言語コードのサンプルは以下のとおりです。
- FIELD $SavedAddresses:=@DeleteField;
- FIELD $SavedDate:=@DeleteField;
- FIELD $SavedPorts:=@DeleteField;
- FIELD $SavedTriedDate:=@DeleteField;
- FIELD $Savedservers:=@DeleteField;
- SELECT @All
解決策 5: NOTES.INI の DONT_USE_REMEMBERED_ADDRESSES=1 設定を使用して、キャッシュされたアドレスの使用を無効にします。
クライアントが、複数または低速なポートテクノロジーを使用している場合は、この手法を推奨されません。この手法では、サーバーのダウンの報告で大きな遅延が生じる可能性があるからです。